越前若狭 奇談
『越前若狭 奇談』のブックデザインを担当しました。
この本に収録されているのは、戦国時代など何百年も前に書かれた実際の文献に残る奇談です。福井県立図書館の長野栄俊さんが現代語訳され、妖怪絵師のマット・マイヤーさんがイラストを描かれています。
■ 古文書を紐解くデザインプロセス
今回の装丁・エディトリアルデザインは、奇談が記されていた実際の古文書をリサーチするところから始めました。当時の空気感や物語の怪しさを、本というプロダクト全体から感じてもらえるよう、細部にわたってアナログな手法や質感を落とし込んでいます。
・表紙の「墨流し」と題字
当時の古文書の表紙に墨流しが使われていたことにならい、実際に自分たちで墨流しを行いました。その上に和紙を敷いて加工することで質感を表現しています。タイトルの文字も、実際に筆で書き下ろしました。
・本文の紙と「匡郭(きょうかく)」
ページの背景には、実際の古文書をスキャンした紙の質感を敷いています。また、ページを囲む「匡郭(黒枠線)」は、パソコンで引いた均一な線ではなく、古文書特有の角が切れている様子などを再現するため、一本一本違う線を実際に引いて制作しました。
・オリジナルの「奇談マーク」
昔の書体を参考に、「奇談」の文字パーツをバラバラにして再構築したオリジナルの奇談マークを作り、細部のあしらいとして使用しています。
- 装丁・デザイン・組版黒川拓夢(ユニクッカ)
